子どもの頃、ヒーローがビルから飛び降りたり、爆発の中を駆け抜けたりするシーンを見て「どうなってるの!?」と思ったことはありませんか? あのドキドキする場面の多くは、俳優さんではなくスタントマンが演じています。派手な映像の裏にいる、すご腕の影武者たち。今回は、そんなスタントマンになるために必要なことを調べてみました。
スタントマンの仕事内容
スタントマンは、映画やドラマなどで俳優に代わって危険なシーンをこなす専門職です。落下、爆破、火だるま、アクションやカーチェイスなど、身体を張った演技が中心。
そのため、撮影現場では「安全に迫力を出すこと」が常に求められます。
演技の流れを把握して、カメラの前で自然に動く技術も必要です。見ている側には気づかれないように、本物の役者のように振る舞うのが仕事の一部。
また、事故を防ぐための綿密な打ち合わせや安全確認も重要で、チームで動くことが多いのも特徴です。
最近では、ワイヤーやCGとの組み合わせも進んでいますが、それでもスタントマンの動きが映像のリアルさを支えています。どんなに技術が進んでも、人が直接動くことの説得力は大きいものです。
活躍に必要なスキル
まず、体の使い方が上手なこと。筋力や柔軟性はもちろん、瞬時に判断できる集中力も大切です。特に車やバイクを扱うスタントでは、運転技術と免許が求められるケースもあります。
さらに、演技の力も問われます。台詞がなくても、動きや表情で違和感なく見せるには練習が必要。危険な動きほど、確実なタイミングと演技力が求められます。
そして、安全の知識は欠かせません。怪我を防ぐためには、基本動作を徹底することと、仲間との連携がとても大事です。現場では「少しのミス」が大きな事故につながるため、自分の動きだけでなく、周囲への配慮や確認も欠かせません。
また、日々の体調管理もスキルのひとつ。無理のない範囲で安定して動ける体作りが、信頼されるスタントマンにつながっていきます。
訓練の受け方と進み方
スタントマンを目指すなら、専門の養成所や学校に通うのが一般的です。殺陣やワイヤーアクション、火薬を使った訓練など、実際の撮影を意識したトレーニングが受けられます。
東京俳優・映画&放送専門学校のような施設では、演技の基礎から体の使い方まで幅広く学ぶことができるでしょう。
訓練を経たあとは、スタント専門のプロダクションに所属して現場経験を積むのが王道。数をこなして信頼を得ていけば、将来はスタント指導者やコーディネーターになる道もひらけます。
始めたばかりの頃は収入が不安定になることもあるそうですが、それでも現場で活躍し続けたいという人には向いている世界です。
また、フリーで活動するスタントマンも存在し、自分の得意分野を武器にして現場を渡り歩くケースもあります。固定の所属先がない分、営業や人脈作りも含めて、自ら動く力が必要です。